春なのに、どこかほのぐらい話を書きたくなってしまうんです。
修学院で配る抑えの珠。力が大きすぎると飲みこまれてしまうからなんですね。
蒼牙がぴーぴー泣きじゃくってた頃、水に襲われるなんてことが幾度かありました。
自分の力にのまれて、跡形もなく消えていってしまう退魔師や降魔師はたくさんいます。勁くなければ、「自分」に呑みこまれてしまう。
九重のひとりごと。それを聞く時雨。
○ ○ ○ ● ○ ○ ○
「風には、色も形も匂いもないんだよねえ…」
「なんですか。突然」
「誰が見つけてくれるのかな」
「…え?」
「時雨は、つかまえられる?」
そう呟いた彼女の声は、いつもと変わらないはずなのに、どこか泣いているように聞こえた。
fin.
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