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プロフィール
HN:
沙羅の語り部
性別:
女性
自己紹介:
沙羅ノ国。一般的には「シュアラ」の呼称がつかわれている。
帝と巫女姫が執政を行うこの国の、雅で切ない物語。名無しの語り部が語るとしよう。
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長編「凍てゆるむ~」の番外編です。
時間軸は、蒼牙と桜が卯の香の地で想いを確かめ合った直後。
もうタイトルで分かると思いますが、裏要素有。
ていうかなぜか連載になっちゃいました(笑)一番手塩にかけた子たちなので大切に書こう、と思ったらこんなことに←
ちま息子とちま娘のささやかな祝言に、お付き合いいただければ幸いです。

 強い風がふいて、格子窓がガタガタと揺れた。襖で仕切られてはいるものの、もともと夏や春につかう屋敷のため、隙間風で手足がかじかむ。
 単衣に袿を一枚重ねただけの桜は、そっと自分の息で指先を温めた。
 たよりなげな高燈台の灯りが、ちろちろと部屋を照らす。
 蒼牙は宿直をする浅燈を連れて、席を外していた。出て行って少し経った後浅燈の甲高い叫び声が聞こえてきた。
 なんとなくその理由が分かって、桜はぱっと頬を染めてぎゅ、と単衣を握りしめた。

 妻問いの応えを蒼牙に返し、それ以上は望まないと言った彼に、今宵妻にしてくれといったのは自分だ。
 それを思い出すと全身が沸騰するほど熱くなる。自分の言った言葉に後悔はしてないが、羞恥は消えない。
 さまざまな感情をもてあましてるところへ、背後ですらりと襖が開く音がした。ぴくっと肩を揺らして、振り返る。
 動きやすい略装に着替えた蒼牙が、ことんと首をかしげた。普段は後頭部で高い位置に結われている黒が首の後ろで一括りにされている。それに、袷はゆるんで、鎖骨があらわになっていた。
「どうかした?」
 桜はますます顔を赤くしてぶんぶんと首をふる。まさか見惚れてしまったなんて言えない。
 寝台の端で固まったままの桜の隣に座って、細い手を優しくとる。
「…つめたい。やっぱり怖いの?」
 やさしく問いかける蒼牙に、桜は頬を染めてうらめしそうに蒼牙を見つめた。それから、こたえるかわりに、ことんと蒼牙の胸に身体を預けた。広くて、厚い。昔は背が同じで、体格もそうかわらなかったのに。
 肩にそっと手が置かれる。ことことと早く脈打つ心臓をどうしようかと思いながら桜はそっと顔をあげた。
「怖くなったら言えよ。死ぬ気でやめるから」
「っ、死んじゃやです」
「たとえだよ」
 からかうような声音とともに唇が重なった。ぴくっと桜の肩が強張る。ただ触れるだけの口付け。それを何度もくりかえしていくうちに、桜の緊張がやわらいでいく。
 細い腰に手を回して、ゆっくりと口付けを深くする。歯列を割って入れた舌が桜のそれと重なる。
 甘く吸い上げられて、思わず桜は蒼牙の胸にしがみついた。一度唇を離して蒼牙が桜をのぞきこむ。
 熱っぽい瞳が、怖い?と問う。桜はうなじまで赤く染めて、小さく首を振った。
 頬にあった手が、頭に移動する。ゆっくりと細い髪をすきながら、蒼牙はふたたび唇を重ねた。
 今度は深くなる前にすぐに離れ、そのまま首すじに降りていく。
「っ…」
 びっくりして、小さく息をつめた。蒼牙は桜の白い首すじや耳、うなじを撫でる様に口づけを落とす。
 初めての感覚に、頭の芯がぴりぴりとして、鼓動がどんどん早くなっていく。
「ぁっ、や……――んっ」
 思わず仰け反ると唇がふさがれた。どこかすがるように蒼牙の袷を握ると、強く抱きしめられた。
 温かくて、甘い感覚が身体に広がる。桜は蒼牙の背中に手をまわして、ぎゅうと力を込めた。
 唇が離れる。視線が絡み合う。桜の頬に温かい涙が零れおちる。ふうわり、と桜の顔がほころんだ。
「…だいすき…」
 桜の声に、蒼牙が目を見開く。そして、こみ上げる愛しさに一瞬泣きそうな表情を浮かべた。
 俺も。と吐息のように応えて、蒼牙は桜の身体をそっと褥の上に倒した。

◇ ◇


 優しい口づけをくりかえしながら、布越しの愛撫をおとしていくうちに、桜の体の奥に熱が生まれ、全身に広がっていく。
 そして、蒼牙の手が緩んだ桜の単衣の袷に届く。
 その時初めて桜はびくりと肩を震わせた。加えて、体も強張ってしまう。蒼牙が首筋から口を放して、桜をのぞきこむ。
「…どうした?」
「あ、の…」
 どうしよう。こんなところであの時のことを思い出してしまうなんて。
 あの時につけられた忌々しい痕は、うすくはなったものの鎖骨や胸元に残っている。それを蒼牙に見られたら、と思うと途端に身がすくむ思いがしたのだ。
 泣きそうな顔で己を見上げている少女の頬に唇を寄せる。
「……九重から聞いてる」
「ッ、ごめんなさ…」
 ぱっと視線をそらそうとした桜の頬を両手で固定して、蒼牙は少し怒ったような顔を浮かべた。
「桜が謝ることじゃないだろ」
「でも…っ」
「…俺が消してやる」
 その言葉に、桜はきょとんと琥珀の瞳を瞬かせる。
「消せるの…?」
「うん」
 優しく頭をなでて、蒼牙が穏やかに笑う。胸の奥で広がりかけていた悲しみが、ゆっくりと溶けていく。
 身体から強張りが取れた桜の額に口づけを落として、蒼牙は細い肩を直に抱き寄せた。


 fin.
 …ナンていうか…。お母さんは突っ込まずにはいられません。
 蒼牙、どこでこんなことを覚えてきたの?(殴)


=次頁=

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て…照れてしまいましたわ…
ちまコンビがすっかり大人になってしまって…うれしいやら、照れるやら。
でも、良かったねえ……ほろほろ。
ヴァル 2008/12/22(Mon)12:29:00 編集
良かったねぇ
経験早い悪い姉さんと、その伴侶と、あと師匠の血の繋がらない義理の兄さまがそのテの人だからその辺りじゃないかなと(コラ)。

そーくん、これからも頑張ってね。
梧香月 2008/12/22(Mon)12:41:24 編集
穴を掘りたいです。
て、てれますか…。
そういわれるとこここここちらも羞恥心が爆発して踊りそうになります。
もうどうにでもなれーっみたいな(お前)
早く慣れたいです。濃厚シーンを書いても「おほほ、このくらいへのかっぱでしてよ?」と言えるようになりたいです。
今年の最後の目標は「裏をかくことに恥じらいをもたなくなる」にしよう…(おいおいおいおいおい)

やはり…そのテのすじでしたか…(こら)………ぶっwww真剣に聴いている蒼牙の顔が浮かんでしまった。
駄目だ笑える…。ウケケ←
はい。頑張りますー。




……もうこれ一話書いただけで息切れが………まだ押し倒すまでしかしてないのにっ!!!←
平常心。不動心。
日和小春 2008/12/22(Mon)14:28:51 編集
うーむ。これは対抗すべきか…?
これからすおみろいのクライマックスなんですが……ちまコンビに負けないように、大人の裏場面をぎっちり書くべきだろうか?
ファンタジー仕上げにする予定だったんですけど。
”珠の海”で思いっきりロマンチックに盛り上げるぜーっ……って、きっと照れて挫折するんだ……。ちなみに、私は未だに照れますよ? 裏描写。
ヴァル 2008/12/22(Mon)16:44:38 編集
のおおおっ////
おっかさん負けないようにとかいわんといておくれやすけろーっ(顔を手で覆う)←何弁
でも、読みたい、なあ…v 珠の海、ロマンチックでGO!!ぜひみたいですっ
クロイツが、スオミちゃんが…きゃーっ(>_<);;

おかあさま。わたしの今現在の脳内は後悔:充実感=9:1ですからっ!!!挫折しそうですよ。ていうかもう朝チュンチュンにもってって2話で終わらせようとか考えてますからーっ!!
だけど、でもそうしたら蒼牙が…可哀そうだもんなあとかいろいろ考えてます(笑)
…照れますか?……おお。
はうーよかったあ……私、これ↑書くために色々と廻った……一応、資料展示処といって置きましょうか。入るだけで足ががっくんがっくんですからねっ!!!(胸張って言うな)
日和小春 2008/12/22(Mon)17:06:17 編集
CPによって照れ度って違うと思うんだ
ちなみに私はかしるなとあるしりーの裏は何も照れないのに…むしろカシスへの怒りが湧いてくるのに…

なのに…あかねれーでピロートークを書こうとすると何故こんなにも照れてしまうんだ…orz

正しいカップリングほど照れると思う裏描写(大分字余り)。
梧香月 2008/12/22(Mon)17:34:30 編集
……CPによって…
えどえる、そーさく、あらゆー、ゆきあき、しぐこの………。
むきゃーーーっ無理ですっ私は全CPの裏描写を書くとしたらやはり照れて照れて発狂すると思います!

か、かしすに怒りがわいて…。
そうですねえ。るなちんをごーいんに食べちゃったのはちょっとむっとしますね☆
あかねれーのピロートーク楽しみにしてます^^///
日和小春 2008/12/22(Mon)20:45:02 編集
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